作曲者のテレマンさんって?

ゲオルク・フィリップ・テレマン(1681~1767)は後期バロック時代を代表する作曲家の一人です。私の所属する日本テレマン協会がテレマンの紹介動画を作ってくれています。https://twitter.com/since1963_osaka/status/1238453815965151233?s=21

J.S.バッハG.F.ヘンデルとも親交があり、その作品はヨーロッパじゅうに知れ渡っていました。というより、当時はバッハやヘンデルよりも人気があったのです。
1747年ライプツィヒの新聞で実施された人気投票の結果です。

1位 テレマン
2位 ヘンデル
3位 グラウプナー
4位 シュッテルツェル
5位 ハイニヒェン
6位 ファッシュ
7位 J.S.バッハ

バッハはなんと7位・・・。


まず作品の多さ!

J.S.バッハはライプツィヒの教会で行われる演奏のためにカンタータを毎週一曲すつ作曲をしていました。およそ3年分とすこし、200曲ほどの教会カンタータが残されていますが、テレマンはなんとおよそ22年分1500曲ほどが残されています。受難曲も、バッハに残されているのは2曲ですが、テレマンはなんと46曲も残っています(マタイ受難曲だけでも10数曲!)。

これは、テレマンがキャリアアップのために転職するのですが、そのたびに前職場にも要請を受けて作品を書き送っていたからでもあります。僕が(勝手に(;^ω^))作ったテレマンの履歴書をご覧ください。「不在楽長」のポジションがどんどん増えていきます。作品の数も増えるってもんでしょう。

彼の作品はバッハのように深遠ではないかもしれませんし、ヘンデルのように劇的でもないかもしれませんが、音楽をする喜びにあふれた作品です。自伝に次のような一節があります。

「まやかしの音楽を書いて、もし楽譜が非常に演奏困難な音の動きを見せるなら、私は思う。
音楽すること、
それは演奏者にとって、
ほとんどの場合、重荷となり、
度々しかめ面をさせることになろうと。
私は重ねて言おう。
万人に役立つことのできる人、その人は少数の人のためにのみ作曲する人よりも善をおこなっている。
平易に作曲すること、それは例外なく万人に奉仕する事である。
故にこの姿勢を貫くことこそ、
最善である。」
(『テレマン 生涯と作品』カール・グレーべ著、服部幸三・牧マリ子翻訳、1981年音楽之友社刊より)

これが彼の信念だったのだと思います。

テレマンの作品を演奏すると、本当に楽しいなあと感じることが多いです。これは恐らく、彼自身が音楽を楽しんで演奏していたからなのだと思います。

テレマン 《無伴奏フルートのための12のファンタジー》 全曲演奏会

フラウト・トラヴェルソ: 森本英希 日時: 2020年8月26日(水)18:30開演 会場:京都市文化博物館別館ホール こちらは上記の演奏会のための特設サイトです。 作曲家の情報やプログラムについての情報などを順次アップしていく予定です。