私とテレマン
私がテレマンの作品に初めて触れたのは高校生の時です(私は高校に入ってからフルートを始めました)。最初にヘンデルのソナタを二曲ほどやって、じゃあ次はテレマンをやりましょうという事になって、ベーレンライターの「4つのソナタ」の楽譜からヘ長調とヘ短調のソナタをやりました。
中学生の頃からクラシック音楽は好きでヴィヴァルディの『四季』やバッハの『ブランデンブルク協奏曲』ヘンデルの『水上の音楽』などはレコードやCDで聴いていました。当時の「朝のバロック」というFMの番組も良く聴いていました。バロック音楽といえば当時はそれくらいの知識しかなかったのですが、テレマンの曲は初めて音を出した時からこんなイメージの曲だ!ってわかった気がして取り組みやすかったのを覚えています。今から考えると、これこそがテレマン・マジックだったのでしょう。知識のない人にも等しく音楽の楽しさを伝えることのできる作曲家だからこそ、当時の僕もそれなりに楽しく取り組むことが出来たのでしょう。
次の体験が《無伴奏フルートのための12のファンタジー》でした。でも、最初に聴いたのはフルートではなくオーボエのレコードだったのです。ホリガーのレコードでした。イ長調の冒頭の輝かしさ(ここは今でもオーボエの方がぴったりだと思っています)からぐっと引き込まれていったのを覚えています。
その後、ご縁があって今、テレマン室内オーケストラで演奏しています。創設者の延原武春氏がテレマンの「人が喜ぶために作曲している」という言葉に感銘を受けたことから始まった団体です。ここにお世話になってからすでに20年、この間に多くのテレマンの作品を演奏してきました。といっても大体100曲ぐらいでしょうか。5000曲あるうちからすれば微々たるものですね…(笑)。数少ない?経験から言えることばバッハともヘンデルとも違う独特の魅力があるという事です。
今までに演奏してきた曲をざざっと記憶のままに…
ブロッケス受難曲
マタイ受難曲(1730)
マタイ受難曲(1762)
ヨハネ受難曲(1737)
カンタータ集「一日の時」
食卓の音楽
いくつかの管弦楽組曲《ハンブルクの潮の干満》、イ短調、ハ長調
フルート、オーボエ・ダモーレ、ヴィオラ・ダモーレのための協奏曲
2本のフルートとファゴットのための協奏曲
リコーダーとヴィオラ・ダ・ガンバのための協奏曲
フルートとリコーダーのための協奏曲
リコーダーとファゴットのための協奏曲
二本のリコーダーのための協奏曲
フルート協奏曲(ニ長調3曲、ホ長調、ト長調)
リコーダ協奏曲《ハラッハ協奏曲》
クァドリ
パリ四重奏曲
エセルツィーチ・ムジチ
メトーディシェ・ゾナーテン
いくつかの四重奏曲
トリオ・ソナタ多数
フルート・ソナタ多数
リコーダー・ソナタ多数
無伴奏フルート二重奏曲多数
そんなテレマン室内オーケストラの首席フルート奏者、森本英希が満を持してファンタジー全曲に挑みます。是非ご期待ください。
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